なまら好きやねん北海道

都会生活にうんざりし、海外生活も経験した関西人が北海道の素晴らしさに感動しながら、その生活ぶりを紹介するブログ

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長野県南佐久郡川上村

昨日、近くの道の駅で、新鮮なレタスを買った。

それも、スーパーで売られているありきたりの新鮮さではない。
今まさに畑から収穫した、朝露がまだ残っている新鮮さだ。

みずみずしくて、スーパーで手に入るレタスとは
比べ物にならない。

しかし、残念ながら、私は本当においしいレタスの味を
知っている


だからいくら新鮮でも心の底からおいしいとは思えない。

私にその味を教えてくれたのは長野県の川上村だ。

この村は日本でも特殊なところで、実際にそこに住む村人や
実際に体験した人間でないと、彼らの特殊な生活を知る人は
少ないと思うので、ここで紹介しようと思う。

私は川上村で3シーズンの夏を過ごしたが、20年程前の
ことなので多少の事情の変化はあるかもしれないが、
おそらく大きくは変わっていないのではないだろうか。

ここは知る人ぞ知る高原野菜の村。

村民のほとんどが農民で、そうでない人も何らかの形で農業に
関係している人がほとんどだ。

私と川上村の出会いは住み込みアルバイト。

夏前になると関東や関西のアルバイト情報誌には、川上村の
農家からたくさんの求人情報が掲載される。

私もそんな求人誌を見て、川上村へ行った。

都会で生まれ育った私にとって、川上村の自然に囲まれた
環境は素晴らしいものだった。

特に、私が行った梓山という集落は川上村の中でも一番奥にあり、
自然の豊かなところだった。

山から染み出るおいしい湧水が飲めたり、家の横を流れる
小さな側溝に岩魚が泳いでいるというのは新鮮な驚きで、
朝の空気は本当においしかった。

農業というと、後継者不足の問題があったり、放棄地の問題が
あったりと暗い話題が多いが、この村の事情は少し違っている。

ここは海抜1300mほどの高原にあるため、日本の他の地域でレタスなどの
野菜が採れない時期に収穫の最盛期を迎える。

従って、競合産地が少なく、比較的安定した収入が得られやすいのだ。

野菜の卸値というのはびっくりするぐらい変動する。

例えば、一箱10kgのレタス(Lで16個入り)が高い時には3000円も5000円も
するのに、安い時には500円を切ることがある。

しかも、その値段は同じ村内の作物の出来によって決まる。

つまり、大豊作の年は最悪で、値段は底値近辺を推移するので、
多くの農家は赤字となる。


そんな年は農協が先導を取って、大量に野菜を廃棄する。
例えば、100出荷したいとしても、今日はその30%、明日は50%と
需給状況をみながら、強制的に廃棄させられる。

その代わり、農協からは廃棄に対する補償金が支払われるが、
これはもともと農家が日頃から積み立てているもの。

何千、何万という野菜が捨てられる廃棄場所には大量のハエが発生し、
腐敗臭が漂い、おぞましい光景となる。

では、どういう年に野菜の値段が上がるかというと、天候不順で
雨ばかり降って、野菜が生育せず腐ってしまうとき。

私はこの村に来て初めて、野菜というのは値段が安い時の方が
おいしいことを知った。


つまり、値段が異常に高い時に売られているのは、かろうじて腐ることを
のがれた野菜である可能性が高いのだ。しかも、普段は畑に放置して
捨てられるレベルの野菜も高く売れるので箱に詰められる。

逆に、豊作の時はいいものしか箱詰めしないから、質がいいというわけだ。


先ほど、この村は日本でも特殊だと言った。
次はこの話をしよう。

まず、この村で野菜が採れるのは5月からせいぜい10月ぐらいまで。
この半年の間が勝負で、その期間は村民だけの力では作業が出来ず、
毎年県外からも多数の住み込みアルバイトがやってくる。

しかも収穫が始まると、その忙しさはピークを迎える。

1日のスケジュールを紹介すると、こんな感じだ。

朝2時に収穫開始。(家によっては0時に開始するところもある)
当然、畑は真っ暗だから発電機を使って、電気をつけながらの
作業となる。(アルバイトは5時ぐらいからが普通)

8時ぐらいにそれまでに収穫したものを農協へ持っていき、
家で朝食。(忙しい家は畑で)

朝食後は引き続き収穫作業。

12時前に作業を終えて昼食。

昼食後は2時ごろまで昼寝の時間。
暑い昼間は基本的に作業しない。

2時からは植え込みの作業や、収穫があるときには収穫を
5時ぐらいまで行う。

女性が夕食の準備をしている間に男は農薬散布を行う。

夕食後は8時には遅くとも消灯。

村中の電気が消え、真っ暗となる。


つまり8時には真っ暗な村なのに、0時を過ぎると
畑のあちこちで電気がつき始めるのだ。

こうして、夏の間は狂ったように働き、代わりに
冬は基本的に働かない。若い人が周辺のスキー場に
仕事へ行くぐらいのものだ。


しかし、私の知る限り、川上村は農家としては日本で一番
恵まれているのではないかと思う。

理由は競合産地が少ないためだ。

この村の農家の収入は数千万は当たり前で、億を超える家も
あると言う。

私は、お世話になった農家の息子の言葉が今でも
忘れられない。


当時この息子は大学生で、初めて村を出て、農家ではない
サラリーマン家庭の友達が出来たころの話だ。

『大企業の重役になっても、年収が3000万ぐらいしか
ないらしいよ。馬鹿らしくてやってられないな。』


この村で後継者不足の話があまり聞こえてこないのも
頷ける。


最初に、私はここでおいしいレタスの味を知ったと言ったが、
この村のレタスが全ておいしいわけでは決してない。

私がお世話になっていた農家の主人はとても真面目な人で、
一生懸命野菜作りをしていた。

そのご主人が一部の畑で有機栽培をしていて、私が感動したのは
そんな有機栽培のレタスの採れたてを食べた時だ


おいしいレタスはドレッシングすらいらないぐらい、
甘くて味があるのだ。

また、有機と無機のレタスの味の違いもびっくりするぐらい
明白だった。


一度、滞在中に朝採った有機栽培のレタスを東京の友達夫婦の
家に持って行ったことがあったが、彼らもこのレタスの味に
感動し、塩も付けずに丸ごと1個食べてしまった。

しかし、これもここのご主人が真面目だからこそ。

巷で売られている有機栽培というのは怪しいものも多い。

去年まで化学肥料を使っていた畑で今年から有機肥料を使ったからと
言って、有機と言って売られているものもたくさんあると思うが、
実際は有機への切り替えは何年もかかるはず。

また、無機栽培のものを有機といって出荷しても、チェックする
体制がないのも現状だ。

最近、福島原発事故のせいで、放射能汚染が問題になっており、
『市場に出回っているものは安全だと思う』などという馬鹿げた
発言をする人を見かけるが、これは大きな間違いだ。

通常の野菜の出荷でも、100ケース、200ケースと農協に
持ち込んでも、検査されるのは1~2ケースだけ。
しかも、開けたケースのさらに1個か2個だけを、目視で虫食いや
病気の有無がチェックされるだけなので、偶然にそこで問題が
発覚しない限りは、残りは全てノーチェックで市場に出回る。

放射能で汚染された牛肉が流通して問題になっているが、
当然の結果だと思う。

結局、自分の身は自分で守るしかないのだ。

もし今回の牛肉をはじめ、他の食品でも放射能汚染された
食品を食べて発病する問題が起きたら、それを風評被害だと
決めつけ続けてきたマスコミには大いに責任がある。









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| 農業 | 11:45 | コメントはこちらから:5 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

おいしいレタス……

そうなんですよねー
レタスを始め、野菜って取れすぎて困ってるくらいの時のがおいしいんですよね。
十勝でも数年前の猛暑のとき、トマトが取れすぎてひと箱300円とか500円とか、信じられない安値で売られていましたけど、
そういうときのトマトはおいしかったです。
うれしくてたくさん買うんですけど、食べきれないのが玉にきずなんですよねー。
でもその川上村の話は知りませんでした。
貴重な体験をされてるんですね、興味深く読ませていただきました。
それにしても牛肉の汚染問題、ひどい話ですよね。
基準値を超えていても食べても大丈夫、なんて真顔でニュースで言われてしまうと、
いったいこの国はどうなっているのかと不安に思ってしまいます。
だいたい、国というのは、国民の健康を少しでも向上させる方向に努力するべきだ、という
基本中の基本を忘れていますよね。
野菜や果物、海産物などについても、サンプル検査だけでは本当に片手落ちです。
きちんと詳しく調査して発表し、基準値を超えるものを絶対に市場に出さない、というのが、
一番「風評被害」を防ぐことにつながるのだという当たり前のことに、
いつになったらこの国の政治家とマスコミは気づくのでしょうか。
先行きが思いやられますね…。

| みる | 2011/07/17 18:11 | URL |

Re: おいしいレタス……

みるさん

こんばんは。

基準値を超えていても食べて大丈夫というなら、なんのための基準値なのか。

しかも、何も無いときは厳しい基準値にしておいて、いざ事故が起きると、
厳しい基準値では至る所で基準値を上回って収集がつかないからと基準値を上げる。

それでも基準値内に収まらない値が出てくると、今度は超えても大丈夫という。
ほんとに幼稚な子供の言い訳みたいですね。

しっかりとした検査をしないのは、そんな検査をしてしまうと、何もかもが
基準値をオーバーして、関東・東北の生産物は何も流通できなくなるから、
知らん顔をして国民に食べさせておけという感じがしてなりません。

実際、牛肉なんて氷山の一角に過ぎないと思います。
これからまだまだ色んなものから放射能が検出されるでしょう。

そんな事態になってから『食べちゃまずかったの?』とか、
『なんで国はしっかりと管理しないんだ?』などと言っても後の祭りです。

やっぱり自分の身は自分で守るしかないと思います。

無策な国や、それにも増してどうしようもないマスコミに騙され、
後で文句を言っても、誰も元の身体には戻してくれません。

| Swimmer to the moon | 2011/07/17 22:21 | URL |

朝一番早いのは?

キャビンクルーをしていたころ朝5時に出勤の日があって
そうすると朝3時に起きないといけなくてブツブツ文句言ってました。
でも忙しい時のの農家さんとは比べ物にならないですねー。
壮絶なまでの収穫期の働き方、びっくりしました。

うちの父は実家が農家だったのですがサラリーマンになりました。
父が今回の川上村のお話を聞いたらたぶん腰をぬかしたと思います(笑)。

| ミセスガーベラ | 2011/07/19 20:48 | URL | ≫ EDIT

Re: 朝一番早いのは?

ミセスガーベラさん

こんばんは。

キャビンクルーをされていたんですね。
素敵ですね。

川上村の農家の夏の忙しさは壮絶です。
もちろん、半年で普通のサラリーマンの数倍は稼げるからこそ
やっていけるんでしょうけどね。

ちなみに、夏の間の休みは市場が休みのお盆1日だけです。
後は土日も祭日も関係ありません。これは我々アルバイトも
同じでした。

特に奥さんは農作業の主力でありながら家事もあるので大変です。

あるとき、限界に達した奥さんが、「ちょっと5分だけ寝させて」と
言って、軽トラックの幌に入ったかと思うと、その瞬間に軽いいびきが
聞こえてきて、本当に5分きっかりで「あぁ、すっきりした」と言って
戻ってきたのには驚きました。

そのぐらい極限まで疲れています。
大変な仕事ですよね。不作でも大豊作でも赤字になりますしね。

| Swimmer to the moon | 2011/07/19 22:22 | URL |

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| - | 2011/07/21 23:28 | |















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